都知事選前の最後の週末(投票期限は来週の日曜)を迎えた。候補者が街頭演説などで支持を訴える中、27日の夕方にはネット上で4名の候補による討論会がおこなわれた。
参加したのは現職の小池百合子都知事、宇都宮健児氏、小野泰輔氏、そして山本太郎氏。
1時間ちょっとの討論会をまとめてみた。
質問 | 小池氏 | 宇都宮氏 | 小野氏 | 山本氏 |
新型コロナ感染者の抑え込みはうまくいっている? | O | X | X | X |
コロナなどで住む場所を失った人に住まいを提供する? | O | O | O | O |
五輪開催に賛成・反対? | O | X | O | X |
同性パートナーシップ制度の導入に賛成・反対? | △ | O | O | O |
カジノ誘致に賛成・反対? | △ | X | O | X |
築地の地元経済は守られている? | O | X | X | X |
都立病院の独立行政法人化に賛成・反対? | O | X | O | X |
ヘイトスピーチ禁止条例の制定を目指す? | X | O | X | O |
原発は必要なベースロード電源? | △ | X | O | X |
水道の民営化を目指す? | X | X | O | X |
討論会での各候補の印象は以下の通り:
小池都知事
- 答えを曖昧にし、明言を避けていた様子。
- 特に終盤、ダイバーシティーについて聞かれた際には「女性政策をかつてないスピードでおこなってきた」と発言。誰かに似ているなと感じ、考えてみると、安倍総理が「かつてない規模」と何度も発言していたことを思い出した。政治家の常套手段(具体性のない回答)なのだろうか。
- 候補の中で唯一質問に対して△で回答していたのも印象的。はっきり答えてほしいことも長く喋りごまかしていた感じさえうける。
宇都宮健児氏
- 要所要所、存在感を示した(候補のせいではなく、時間制限など考えても発言回数が少なかった)
- 検査体制の拡充の必要性は賛成
- LGBTのパートナーシップ制度の問題点(区によってはあったりなかったりして都全体で認められていない)を指摘していたのが印象的。現職があまり言及しなかったことについてしっかりとした考えがあることがわかった。
小野泰輔氏
- 小池都知事を上回る民営化推しが判明
- 山本氏の15兆円都債発行について質問をし、財政管理の必要性を訴えた。この15兆円に関してはこれからも(仮に山本氏が都知事になっても)議論を重ねる必要がありそうだ。
- レイシスト疑惑については否定した。これからこの問題が掘り下げられるか注目。事と次第によっては致命傷になり得る問題。
山本太郎氏
- 前回の会見同様のポイントをおさえた発言が目立った。最も具体的な政策案を示している、喋るのが上手な候補。
- 「自分らしく生きれる東京」というのはかなり有権者に響く発言ではないだろうか。これからは理想を現実にする力を示す必要がある。
討論会自体の評価だが、回答時間があまりにも短いと感じた。
スケジュールの問題などで制限を設けたのだろうが、正直1分で回答できるとは思えない。アメリカの候補討論会でも同様の指摘があるが、短時間で説明できる政策はそうそうない。少なくとも5分〜10分が理想ではないだろうか(もちろん1時間でおさまらなくなるが)。教育・行政改革・環境など、分野ごとに、数回に分けて討論会をおこなうことはできないのだろうか。
これから先もこのような討論会(次はテレビで!)を数回はおこなってほしい。今年はあと1回が限界だろうが、次回以降は回数を増やしてほしい。
写真:Morio (CC BY-SA 3.0)