週刊オブザーバー 7/12-7/16

I. 今週のニュース

新型コロナ

新型コロナ情報 (基本毎日更新):

1. 4度目の緊急事態宣言発令1週間後に東京で新規感染者が1,000人を超える

  • 政府の分科会の尾身茂会長金曜、4連休や夏休み、オリンピックを前に感染対策の徹底を求める談話を出した。この2か月が「まさに山場だ」としていて、感染拡大を少しでも抑えるために、県境を越えた移動をできるだけ控えるよう求めた。

  • 神奈川県金曜、政府に緊急事態宣言の発令を要請することを検討していたが、政府側との水面下の調整で折り合わず、独自の「神奈川版緊急事態宣言」22日から適用することを決めた。

  • 県は「まん延防止等重点措置」の対象地域を、県内全域に拡大し、飲食店での酒提供全面停止を求める。神奈川では金曜、2日連続で新規感染者が400人を超えた。

  • 木曜に開催された東京都モニタリング会議で、専門家は新規陽性者の7日間平均が水曜時点でおよそ817人となり、1週間前の7月7日時点の1.31倍になったことを確認した。

  • 専門家は現在の増加比が続けば、2週間後の7月28日には、7日間平均が今の1.72倍のおよそ1,402人となり、4週間後の8月11日には、今の2.94倍のおよそ2,406人になると分析した。

  • ただ専門家は、人の流れの増加や感染力が強い変異ウイルスの影響で、増加比がさらに上昇すれば感染拡大が加速し、より早く第3波のピークで確認された1,816人を超えるとして強い懸念を示した。

  • 厚生労働省の専門家会合は水曜、東京都に4回目の緊急事態宣言が出されてから初めて開かれた。

  • 会合では、現在の感染状況について、東京都を中心とする首都圏の感染拡大が顕著で、周辺や全国への影響が懸念されると報告された。

  • 首都圏の一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)は全国感染者数の3分の2を占めている。

  • 厚生労働省によると、月曜までの1週間に確認された「デルタ株」(インド型)の新規感染者数(133件)は、前の週(53件)のおよそ1.7倍に急増した。

  • 国立感染症研究所の推定によると、1都3県では、デルタ株などがすでに全体の44%となっていて、来月初めにはおよそ80%を占め、来月末にはほぼすべて置き換わるとしている。

  • また、大阪府、京都府、兵庫県においては、全体の25%と推定され、今月下旬にはおよそ半数が置き換わる可能性があるとしている。

  • 今週は全国的に増加傾向が強かった:全国平均(前週比1.32倍)、神奈川県(1.47倍)、大阪府(1.41倍)、東京都(1.31倍)、埼玉県(1.28倍)、千葉県(1.21倍)。沖縄県(0.86倍)のみ減少となった。

  • 東京都では水曜1,149人の新規感染者が確認された。これは5月8日のいわゆる「第4波」のピークで確認された1,121人を上回った。金曜には3日連続で1,000人越えとなる1,271人の新規感染者が確認された。

  • ワクチンの影響もあり、高齢者が全体を占める割合は下がり、代わりに半数以上は20代と30代が占めている。この割合3月時点の31%と比べるとおよそ10%増の42%となっている。

2. 政府、ワクチン接種を推し進める方針を継続

  • 木曜時点で人口の32%が1度目の接種を終えていて、20%が2度目の接種を終えている。国内のワクチン接種回数は累計で66,714,528回となった。日ごとの接種回数は729,502回となった。

  • 河野太郎規制改革担当相(ワクチン接種担当)は金曜、申請を受けたがワクチン不足で待機状態となっている約3,000の職域接種会場のうち、多くの会場がお盆休み明け以降に開始できるとの見通しを示した。

  • 厚生労働省は来週月曜、専門家部会を開き、モデルナ製ワクチンの接種が可能な年齢を現在の18歳以上から12歳以上に引き下げる。ファイザーのワクチンは、すでに12歳以上に引き下げられている。

  • 菅義偉首相水曜、ワクチンに関し、接種が進んでいる自治体で今後の供給に不安が生じ、新規の予約停止などにより、ご迷惑をお掛けし、大変申し訳なく思うと陳謝した。

  • 首相は、1日120万回程度のペースで接種できるワクチンを配分すると約束した。その上、ワクチンの需給状況を自治体と共有し、緊密に連携しながら計画的に接種を進めていく旨を述べた。

  • また首相は、ワクチン接種の効果について、東京都の新規感染者に占める高齢者の割合が今年初めは20%台だったのに対し、直近では4%前後にまで下がっており、重症者や死亡者の増加を食い止めることにつながっていると思うと強調した。

  • 武田良太総務大臣火曜今月末までに希望する高齢者への接種を終えるという政府の目標は達成できるという見通しを示した。

  • 政府は日曜の時点で、高齢者全体のおよそ76%が1回目の接種を終えたことを公表している。

  • 河野行政・規制改革相(ワクチン接種担当)は火曜、8月前半に自治体に配る新型コロナウイルスワクチンの数量を発表した。8月2日からの2週間で供給される計1,170万回分の米・ファイザー製ワクチンのうち77%に当たる約901万回分は「基本計画枠」として各都道府県に人口比で配分される。

  • 残りの23%(約269万回分)を「調整枠」とし、そのうち19%(約223万回分)は都道府県の裁量で市区町村の接種ペースや在庫量に応じて傾斜配分され、4%(約46万回分)は、都道府県が運営する大規模接種会場で使用される。

  • 政府は調整枠の新設で、接種ペースが速い市区町村に手厚く配分し、ワクチン不足の緩和につなげたい考えだ。在庫が多いとされた市区町村の配分を1割減らし、調整枠に回すことになっている。

  • 日経は月曜第一三共が2021年秋にも国内生産ワクチンの最終段階(第3)の臨床試験(治験)を始め、2022年中の実用化を目指していると報じた。

  • 第一三共の他、塩野義製薬やKMバイオロジクスが国内産ワクチンを開発している。塩野義は早くても年内の実用化を目指していて、最大年6,000万人分を供給するとしている。KMバイオロジクスは早ければ2022年中の実用化、6ヶ月で3,500万回分を供給するとしている。

外交・防衛(安全保障)

3. 2021年版防衛白書

  • 防衛省は火曜、2021年版防衛白書を公表した。防衛白書は毎年作成し、日本を取り巻く安全保障環境や防衛方針について明記する。

  • 今年の白書は初めて米中関係を分析する項目を設けた。例年は、地域情勢の客観的な説明が中心となるが、今年は米中の対立が日本の安全保障に与える影響に重点が置かれている。

  • 米中競争については、「中国が急速に軍事力を強化する中、米中の軍事的なパワーバランスの変化が、インド太平洋地域の平和と安定に影響を与える可能性」と記載した。

  • 台湾については、「台湾情勢の安定は、わが国の安全保障や国際社会の安定にとって重要」と初めて明記した

  • 中国の海警法については、国際法との整合性の観点から問題がある規定が含まれるとし、尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国海警局の活動については、初めて国際法違反と断じた。

  • 白書は「自由で開かれたインド太平洋」の維持に向けた各国との防衛協力の重要性も示した。交流を推進する国にアメリカ、オーストラリア、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州諸国を挙げた。

  • 北朝鮮については、その軍事動向が、日本の安全に対する重大かつ差し迫った脅威にあたるとした。

  • 防衛力の強化については、宇宙やサイバー、電磁波などの新たな領域の重要性を記した。また、気候変動を安全保障上の課題と位置付けた。

  • 防衛費の増額については、G7諸国、オーストラリアや韓国と比較して国防費の対GDP比が最も低いと指摘した。また白書では、将来の日韓防衛予算の差2025年には約1.5倍に広がると説明している。

4. G20財務相会合で最低法人税率をめぐる「歴史的」合意に至る

  • G20の財務相・中央銀行総裁会議はイタリアで7月9日・10日の日程で開催された。閉幕後には共同声明が採択された。

  • 新ルールの柱世界共通で15%以上の最低法人税率を導入することと、拠点を持たないが利益はある企業から国が課税できる「デジタル課税」だ。

  • 最低法人税率は、税率が低い国に子会社をつくって利益を移転させる行為に歯止めをかけるのが目的だ。

  • 「デジタル課税」は、一定水準を超える売上高や利益がある企業に対し、拠点がない国でも課税できるようにする。対象は広告や音楽配信といったデジタルサービスで巨額の利益を上げているアメリカの巨大IT企業など、100社程度とされている。

  • 麻生太郎財務大臣は会議後の記者会見で、「100年ぶりくらいの大きな歴史的変化だ。今回のG20では従来に比べ多くの成果をあげられたのではないか」と合意の意義を強調した。

  • 現時点で日本やアメリカ、中国、ヨーロッパ主要国など計130の国と地域が新ルールに参加するとしている。G20は今回合意に参加していない国にも参加を求める方針だ。

  • 10月に開かれる財務相・中央銀行総裁会議でデジタル課税で徴収した税の国ごとの配分方法や、法人税の最低税率の具体的な水準などについて最終合意し、10月30日・31日にイタリア・ローマで開催されるG20首脳会議にて最終承認を得たい考えだ。新ルール2023年にも導入が始まる可能性がある。

5. 日米関係

  • 外務省金曜日米韓3か国が来週水曜、東京で外務次官級の協議を行うと発表した。3カ国は中国や北朝鮮への対応をめぐって意見を交わす。

  • 参加者:森健良外務事務次官、ウェンディー・シャーマン国務副長官、チェ・ジョンゴン第1外務次官

  • 米・AI国家安全保障委員会は火曜先端技術の国際協力を議論する国際会議をワシントンで開いた。

  • 日米豪印(クアッド)各国の高官が参加した。日本からは井上信治・科学技術相が参加した。会議では中国がアメリカと競争を展開するAIや5Gなどの先端技術について議論した。

  • エリック・ランダー米科学技術政策局長は、クアッドの4カ国が先端技術について中心的な役割を担えるとし、価値観を共有する多国間協力の必要性指摘した

  • ロイド・オースティン国防長官会議にてAIが国防省のイノベーションアジェンダの中心であり、これらの技術が将来の戦いに必要不可欠であると述べた。オースティン氏はアメリカとパートナー国が共通の価値観に基づいた国際秩序を推進するために取り組んでいることを強調した。

  • 井上大臣はクアッド国での新興技術の協力が重要と述べ、AIやデータ流通の連携強化に意欲を表した

6. 外交関連ニュース 

  • TBSは金曜、オリンピック開幕に合わせた韓国の文在寅大統領の訪日と首脳会談に向けて、最終調整が行われていると報じた。

  • 調整中の事前合意では、訪日と首脳会談は日本側が韓国に対する輸出管理強化を改め、韓国側が日本との軍事機密協定(GSOMIA)の不安定な状況を見直すことが決まれば実現する。

  • 来週行われる日米韓の外務次官級協議とは別に、日韓の会談も行われ、森健良外務事務次官は韓国側に対して、慰安婦問題などで適切な対応を取るよう重ねて求めるとみられる。

  • 茂木敏充外務大臣7月15日から21日にかけてグアテマラ、パナマ、キューバ、ジャマイカの中米・カリブ海4か国訪問する

  • 茂木大臣は滞在中、中米8か国でつくる中米統合機構(SICA)や、カリブ海の14か国などからなるカリブ共同体(CARICOM)の外相らとのオンライン会合にも参加する。

  • 一連の訪問で、茂木大臣は新型コロナ対策や防災、気候変動といった地球規模の課題への対応や、経済協力の強化をめぐって意見を交わすことにしている。

  • また、中米・カリブ海諸国には台湾と外交関係がある国が多いことも踏まえ、この地域で影響力を強める中国への対応をめぐっても率直に意見を交わし、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を確認したい考え。

  • 茂木外務大臣は火曜、政府がワクチンを分配する国際的な枠組み「COVAXファシリティ」を通じて、イランやバングラデッシュ、ネパール、それに、太平洋の島しょ国などの15か国に対し、日本で製造したアストラゼネカのワクチンを約1,100万回分提供する方針を明らかにした。

  • また、茂木大臣は、インドネシアとベトナム、台湾に対し木曜、それぞれおよそ100万回分のワクチンを追加で提供することも明らかにした。

  • 中国外務省の趙立堅(ちょう・りっけん)副報道局長火曜の記者会見で、日本の2021年版防衛白書に対し、「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。

  • また趙氏は、白書を通し、日本が中国の内政に乱暴に干渉し、中国の正常な国防建設や軍事活動を不当に非難し、中国の脅威を誇張していると批判した。

  • 加藤勝信官房長官火曜政府が台湾の代表としてオリンピックに派遣されるIT担当の閣僚の唐鳳氏(オードリー・タン氏)と会談を行う予定はないと明らかにした。

  • 茂木外務大臣は月曜南シナ海に関するフィリピン・中国仲裁判断発出から5年を迎えたことについて談話を発表した。

  • 大臣は両国が判断に従うことを強く期待し、改めて南シナ海において、国連海洋法条約と整合的でない海洋権益の主張をすることに反対した。

  • また、力や威圧による一方的な現状変更の試みへの強い反対を改めて表明した。政府としては、引き続きASEAN諸国をはじめとする関係国と連携し、法の支配に基づく海洋秩序の維持・強化を図り、自由で開かれたインド太平洋の実現を目指していくと述べた。

7. 防衛関連ニュース

  • 岸信夫防衛大臣金曜最新鋭のステルス戦闘機「F35B」について、宮崎県の航空自衛隊新田原基地が配備先に最適だとして、令和6年度(2024)から段階的に配備する方針を示した。

  • 防衛省は木曜、宮崎県の新田原基地が最適だと判断したとして地元自治体に説明した。

  • 米軍とオーストラリア軍水曜日本、英国、カナダ、韓国、ニュージーランドを加えた実動訓練タリスマン・セイバーを開始した。訓練は月末まで行われる。

  • これらの国以外ではインド、インドネシア、ドイツ、フランスがそれぞれオブザーバーとして参加する。日本からは南西諸島有事の際に初動対応を行う、島嶼防衛に特化した陸上自衛隊の部隊が参加する。

  • 中国海警船2隻月曜尖閣諸島沖の領海に47時間6分とどまったのちに、去っていった。

  • 滞在時間は2012年の尖閣諸島国有化以降2番目に長かった。最長は昨年10月の57時間39分。

  • 別の海警船2隻が月曜、接続水域にとどまっていた。中国海警は2月13日以降、150日連続で接続水域を蛇行していて、過去最高を更新し続けている。

  • 日中両国は、尖閣諸島を巡る緊張の高まりを受け、自衛隊と中国軍の偶発的衝突を避けるため、幹部間のホットラインの開設に向けた協議を続けている。

国内政治

8. 政治動向

  • 立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党の野党4党は金曜、オリンピック開幕前からおよそ2か月間の臨時国会の招集をすべく、衆議院議長に要求書を提出した。

  • 憲法53条いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない)に基づいて求めることになる。

  • 野党側は、感染状況が悪化する中でのオリンピック開幕となり、国会としても感染者の急増などの不測の事態に備えるべきだという認識だ。

  • また、野党側は、酒の提供停止をめぐる要請の撤回など、政府の新型コロナ対応の問題点をただす必要もあるとしている。

  • 西村康稔経済再生担当大臣木曜、参議院内閣委員会で、感染拡大の抑止に全力を尽くすことで責任を果たす考えを示した。

  • 野党側は、先週、緊急事態宣言に伴って、西村大臣が金融機関を通じて政府の酒の提供停止要請に従わない飲食店へ圧力とも捉えられる働きかけを求めた件について、大臣の辞任を重ねて求めた。

  • また、政府は飲食店への酒の提供停止の要請に関する方針を相次いで撤回している。酒の販売事業者に対し、休業要請などに応じない飲食店との取り引きを行わないよう努めることを求めた方針も撤回に追い込まれた。これらの方針は小売酒販売などの業界団体飲食店からの強い反発を招いた。

  • 週刊文春は木曜自民党の穴見陽一衆議院議員が東京にまん延防止等重点措置が適用されていた今月上旬、東京都の要請に反して長時間、酒を伴う会食を行っていたと報じた。

  • 穴見氏は都内の飲食店で5人で3時間にわたって酒を飲みながら会食していて、東京都の酒を伴う飲食は1グループ2人まで、滞在時間を90分までとする要請を無視した形になる。

  • これを受け、自民党の二階俊博幹事長は、穴見氏を役職停止の処分にした。穴見氏はすでに今秋の衆院選には立候補しないと発表している。

  • また、金曜には萩生田光一文部科学大臣が7月6日に5人グループで飲酒を伴う飲食をしていたと報じられた。萩生田大臣の事務所はルールに従い30分程度で食事を済ませたと回答した。

  • 自民党の甘利明税制調査会長火曜秋までの次期衆院選の後に2021年度補正予算案を編成し、成立させるべきだとの考えを示した。

  • 総務省は火曜、記録的な大雨で被害を受けた鳥取県と島根県の市に、普通交付税の一部を水曜に前倒しで交付することを決めた。

  • 普通交付税は自治体の財源不足を補うために国から年4回に分けて交付されている。今回、両県の3市に計43億4,600万円が交付される。総務省はすでに月曜、先週土石流の被害があった静岡県熱海市に4,900万円を繰り上げで交付している。

  • 加藤勝信官房長官は日曜、ワクチンの接種歴を公的に証明する「ワクチンパスポート」について、26日から市区町村の窓口で申請受け付けを開始すると明らかにした。

  • 政府は現在、日本から海外渡航する際、パスポートの提示で入国時の防疫措置が緩和されるよう他国と交渉している。日経は火曜、政府がイタリアやギリシャを含む複数の国とこのような規制緩和に向けた交渉を行っていると報じた。

  • ただ、日本に入ってくるワクチン接種を終えた渡航者に対する規制が厳しいため、交渉が難航する可能性がある。政府は中国やアメリカとは交渉していないとみられる。 

9. 経済状況

  • 日銀金曜の金融決定会合で、新型コロナ禍に対応した大規模な金融緩和策の維持を決めた。

  • 日銀はさらに、気候変動対応の新制度について、今回の会合で骨子素案を示し、環境対応の投融資を手がける金融機関に対し、金利0%で円資金を供給するとした。また、利用の促進に向けた優遇策では、金融機関の日銀当座預金にかかる金利が0%となる部分を増やし、マイナス金利の適用を回避しやすくした。

  • 上場投資信託(ETF)を年12兆円を上限に必要に応じて買い入れるといった各種の資産購入策は全会一致で継続を決めた。また、経済・物価情勢の展望のレポートでは、4度目の緊急事態宣言の影響もあり、21年度の成長率見通しを3.8%と、前回の4月時点の4.0%から小幅に引き下げた。

  • 半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は木曜日本で初となる新工場建設の可能性について「現在検討している段階だ」と述べた。

  • 日経は以前、同社がソニーら大手の顧客のニーズに答えるべく、熊本県に新工場を建設することを検討していると報じた。

  • 厚生労働省の諮問機関「中央最低賃金審議会」の目安小委員会は水曜2021年度の地域別最低賃金(時給)の引き上げ幅について過去最高の28円増(3.1%)を目安とすることを決めた。

  • 経営者側は新型コロナの感染拡大による経済悪化を理由に、現状維持を求めたが、小委員会は「全国加重平均1,000円」を目指す政府方針に沿う形で全国平均を現在の902円から930円に引き上げることを決めた。

  • 三井物産2026年までに大型データセンターの建設のため、3000億円超を投資する。同社はすでに海外の金融大手と千葉や京都など3カ所で新設するとしている。

  • 政府は大型データセンターが、ビッグデータ分析など5G技術の活用を推進していくために重要だと位置付けている。6月に発表された骨太の方針では、これらの施設の建設に投資する企業への​​予算や税制での支援を検討していると明記した。

  • 経済産業省月曜2030年時点の原子力や再生可能エネルギーなど電源別発電コストの試算を発表した。今回は太陽光発電が最安となった。

  • 2015年の試算と比較すると、原子力は1kWhあたり最低11円台後半で1円以上高くなった一方、再生可能エネルギーはほぼ全ての電源種で4円ほど安くなった。原子力は原発事故が発生した場合の損害賠償や廃炉、安全対策のための費用上昇が影響した。

  • これらの試算は今夏にまとめられるエネルギー基本計画に反映される。政府は気候によって変動が起きる再生可能エネルギーとともに、安定供給のため、火力発電を確保することになる。

10. オリンピック開催、来週に迫る

  • IOCのトーマス・バッハ会長水曜、菅総理大臣との会談にて、新型コロナの感染状況が改善した際には観客を入れてほしいと要望したことがわかった。

  • バッハ会長は翌日小池百合子都知事と会談し、選手村の住民あるいは日本の方たちに対するオリンピック開催のリスクはゼロと言えると述べた。

  • 一方、国会では、野党側から大会関係者と一般の人との接触をなくすバブルに穴があき、朝食会場で一般の客と一緒にごはんを食べるなどの報告があることが指摘された。

  • 丸川珠代オリンピック・パラリンピック担当大臣は木曜、感染防止に必要なルールをまとめた「プレーブック」に東京大会の関係者が違反していると報じられていることについて、組織委員会に対し、関係者を特定し、厳格な処分を含む改善策を講じるよう求めたことを明らかにした。

  • 大会組織委員会木曜、新型コロナ感染者の濃厚接触者と判断された選手について、試合開始前6時間以内のPCR検査で陰性の場合は出場を認める方針を固めた。

  • 国内では濃厚接触者は14日間の待機が求められており、特例的な対応となる。

  • IOCのバッハ会長は金曜広島県の平和記念公園と原爆資料館を訪問する。

  • 水曜の報道によると天皇陛下は23日の開会式に出席し、開会宣言される方向で調整が進められている。陛下は来日したIOCメンバーを22日に、各国首脳を23日の開会式前に皇居に招いてそれぞれと面会する調整もなされている。

  • 米・ホワイトハウスは火曜ジル・バイデン大統領夫人の開会式への出席を正式に発表した。今週、他にはカナダ政府が同日ジャスティン・トルドー首相が開会式を欠席すると表明した。

選挙

11. 各党が政局を大きく左右する衆院選に向けての準備を進める

  • 日本労働組合総連合会(通称連合)木曜立憲民主党、国民民主党とそれぞれ個別に政策協定を結んだ。3者は新型コロナウイルス危機の克服や税財政改革などについて、連携・協力し、一丸となって取り組むと明記した。

  • 協定の内容は一緒だが、立憲と国民では共産党との連立政権を組むことについての認識の不一致がある。国民民主は連合同様、共産党と連立を組むことに反対している。

  • 立憲民主党の枝野幸男代表日曜村山富市元首相・社会民主党代表の自宅に表敬した。枝野氏はリベラル政権をつくる決意を表明した。

  • 野党は衆議院の465議席中の過半数獲得を目指している。先月に掲載された日経の記事によると、野党は200選挙区で候補が競合しないようすみ分けを済ませている。これは前回選挙の2倍超え

  • 一方自民党は、議員の引退や離党などによって生じた空席を埋めるべく調整を進めている。

  • また、自民党は来年夏に予定される参議院選挙に向けての準備も進めていて、水曜には党が公認する46人の候補者を発表した。

12. 保守分裂・自民党内選挙の見込み

  • 自民党にとっては野党だけが敵ではない。党内においても分裂が起きている。自民党の林芳正参議院議員木曜、次の衆議院選挙に山口3区から立候補することを正式に表明した。

  • 林氏は元文部科学大臣で、多数の大臣歴などからもその能力は折り紙付。同氏が総理大臣を目指していることは周知されており、この鞍替え出馬もその一環とみられている。

  • この注目の選挙では、林氏が自民党の重鎮で元官房長官の河村建夫氏と争うことになる。河村氏は11期目を目指しており、二階幹事長の側近としても知られる。

  • この選挙は河村氏が所属する二階派と、林氏が所属する岸田派の争いでもある。

  • 二階幹事長は先月党の公認は現職優先とした上で、党則には現職を脅かす行為は処分対象となる記述があり、林氏を処分することをちらつかせ牽制した。

  • 一方、岸田派の会長を務める岸田文雄氏木曜、林氏の鞍替え出馬について、「宏池会にとって大切な同志。日本の国、未来を考えても大切な人材。しっかりと応援したい」と述べた。

  • 自民党の山口県連会長を務める岸防衛大臣は金曜保守分裂を招かないようできる限りの調整はしていきたいと述べた。

その他の注目すべきニュース

  • 政府、酒類提供の停止を撤回: 政府は火曜緊急事態宣言の際に種類の販売を停止する命令に従わない飲食店にアルコールを提供することを控えるよう販売店に要求する方針を撤回することを決定した。この決定は、政府が金融機関に対し、取引している飲食店にコロナ対策を遵守するよう働きかけることを求める方針を撤回した後に下された。どちらの方針も適切な補償なしに取引を停止することは難しいと主張した飲食店と酒類販売業者の間で等しく人気がなかった。金融機関の働きかけを求める方針に関しては、複数の省庁が準備に関与していたという報道が出たことで事態はさらに悪化した。それまでの政府の大まかな見解は、西村康稔経済再生担当大臣失言であったということだ。西村氏は火曜、説明が不足していて混乱を招いたと述べ、陳謝した。麻生財務相同日融資を断ち切ることをちらつかせることで、飲食店に政府の要請に応じるよう圧力をかけることを意図したものではないと述べた。このような動きの中で、麻生氏はさらに、財務省の自身の秘書官に、政策としておかしいと述べ、無視するよう伝えたと主張した。一方、AERA水曜、週末に別の文書が省庁間で回され、都道府県に対し、要請に従わない飲食店との取引を続ける酒類販売業者への支援をやめるよう求めたと報告した。これらの報道が出た後、政府は売り上げの大幅な減少を伴う酒類販売業者のための新たな支援金発表した。また西村大臣は、政府の要請に従わない事業者の広告を扱う広告会社への何らかの要請を検討していると述べた自民・公明両党は、この一連の出来事が秋に行われる衆院選挙に影響を与えかねないと、懸念を示している

  • 自民、那覇市議会選挙で勝利を掴む: 自民党は直近、4度目の緊急事態宣言、ワクチン不足、東京都議会議員選挙での事実上の敗戦など、いくつかの逆風に直面している。その中で希望の光となったのは、日曜沖縄県那覇市議会議員選挙で自公(与党)が5議席を獲得したことだ。衆院選挙と来年秋の沖縄県知事選挙の前哨戦と位置付けられるこの選挙では、連立与党が那覇市議会で過半数に迫る勢力になった。この結果は、玉城デニー知事に代わる基地移転賛成の知事の当選を目指す自民党にとっては後押しとなる。一方、玉城知事と城間幹子市長を支持するオール沖縄は1議席失った。その結果、政権与党を含む知事・市長に反対する勢力は40議席中19議席を獲得し、支持する勢力は14議席に減った。

II. 世論調査

  • 月曜に公表されたNHKの世論調査では、菅内閣の支持率は33%6月から1%減)、不支持は46%(1%増)だった。
    • 回答者の41%菅内閣を支持しない理由として、実行力がないとし、34%政策に期待できない11%人柄が信頼できないからと答えた。 
    • 回答者の80%家族や自分が新型コロナに感染する不安を「大いに」、あるいは「ある程度」感じているとした一方、18%「あまり」、あるいは「まったく」感じないと答えた。
    • 回答者の40%(6月から2%増)政府の新型コロナ対応を「大いに」、あるいは「ある程度」評価するとした一方、57%(1%減)は「あまり」、あるいは「まったく」評価しないと答えた。
    • 回答者の39%東京に発令された4度目の緊急事態宣言について、感染防止効果が「大いに」、あるいは「ある程度」あるとした一方、57%「あまりない」、あるいは「まったくない」と答えた。
    • 回答者の39%オリンピックで、東京など首都圏の1都3県の会場を無観客にする決定について、適切だとし、30%はなお大会を中止すべき22%観客を制限して入れるべき4%制限せずに入れるべきだと答えた。
    • 回答者の31%東京大会を開催する意義や感染対策についての、政府や組織委員会などの説明に、「大いに」、あるいは「ある程度」納得している一方、65%「あまり」、あるいは「まったく」納得していないと答えた。
    • 回答者の38%東京大会で来日する海外の選手などに対する政府の水際対策を、「大いに」、あるいは「ある程度」評価するとした一方、57%「あまり」、あるいは「まったく」評価しないと答えた。
    • 回答者の46%はすでにワクチン接種を受けており32%接種したい13%迷っている5%接種したくないと答えた。
    • 回答者の67%は、住まいの地域で洪水や土砂災害などの危険がある場所を示した地図・ハザードマップを確認したことがあるとした一方、28%確認したことないと答えた。
    • 回答者の48%災害時に避難する場合、テレビやラジオの情報を重視するとし、24%自治体の防災無線など、17%はインターネットやSNSと答えた。
  • 世論調査は各政党の支持率に関するデータも集計している。
政党名支持率 (%)
自民党35 (-1)
公明党3 (-1)
立憲民主党6 (±0)
日本維新の会2 (±0)
国民民主党1 (±0)
日本共産党3 (±0)
社会民主党0 (±0)
れいわ新撰組0 (±0)
支持政党なし42 (+1)
カッコ内は6月の世論調査からの変化
  • 火曜に公表された読売新聞の世論調査では、菅内閣の支持率は37%(6月と同じ)、不支持は53%(3%増)だった。
    • 回答者の41%菅内閣を支持しない理由として、首相に指導力がないからとし、34%政策に期待できない17%首相が信頼できないから、10%自民党中心の政権だからと答えた。
    • 回答者の28%日本政府のこれまでの新型コロナ対応を評価するとした一方、66%評価しないと答えた。
    • 回答者の36%日本政府のこれまでのワクチン接種に関する対応を評価するとした一方、59%評価しないと答えた。
    • 回答者の38%は、東京都で発令された4度目の緊急事態宣言が、感染拡大防止に効果があるとした一方、56%あると思わないと答えた。
    • 回答者の41%は、オリンピックが東京都などほとんどの会場で無観客の開催が決まったことについて、中止にすべきだったとし、40%無観客が良いとし、17%少しでも観客を入れるのが良いと思うと答えた。
    • 回答者の74%東京オリンピックの競技を、テレビなどで見たいと思うとし、24%思わないと答えた。
    • 回答者の51%は、今月4日に行われた東京都議会議員選挙で、自民党は第1党となったたが、過去2番目に少ない議席数だったことについて、菅首相の責任は大きいと思うとした一方、41%そうは思わないと答えた。
    • 次の衆議院選挙の比例代表選挙では、どの政党に投票するかという質問に対しては:
      • 回答者の39%自民党18%わからない10%立憲民主党、それぞれ6%公明党、共産党、維新の会2%国民民主党1%れいわ新撰組と答えた。
    • 次の首相にふさわしいのは誰かという質問に対しては:
      • 回答者の20%河野太郎とし、18%石破茂15%小泉進次郎14%いない11%安倍晋三、それぞれ4%岸田文雄と菅義偉、それぞれ2%野田聖子と茂木敏充、それぞれ1%加藤勝信と西村康稔と答えた。

  • 世論調査は各政党の支持率に関するデータも集計している。
  • 政党名支持率 (%)
    自民党36 (+3)
    公明党4 (-1)
    立憲民主党5 (±0)
    日本維新の会2 (±0)
    国民民主党1 (+1)
    日本共産党3 (±0)
    社会民主党0 (-1)
    れいわ新撰組0 (±0)
    支持政党なし43 (-5)
    カッコ内は6月の世論調査からの変化
    • 金曜に公表された時事通信の世論調査では、菅内閣の支持率は29%(6月から4%減)と9月の発足以来最低となり、不支持は50%(6月から6%増)となった。
      • 支持率は加計学園問題が安倍政権を揺るがした2017年7月以来、初めて危険水準とされる30%以下になった。
      • 回答者の23%(6月から1%減)政府の新型コロナ対応を評価した一方、59%(6月から4%増)は評価しないと答えた。
      • 回答者の72%ワクチン接種のペースが遅いとした一方、18%順調だと答えた。
      • 次の首相にふさわしいのは誰かという質問に対しては:
        • 14.9%石破茂;
        • 14.5%河野太郎;
        • 8.8%小泉進次郎;
        • 8.4%安倍晋三;
        • 5%枝野幸男;
        • 3.9%菅義偉;
        • 1%加藤勝信;
        • 0.6%茂木敏充
      • 自民党の支持者に同じ質問をすると:
        • 20.4% said 安倍晋三;
        • 17.5% said 河野太郎;
        • 14.9% said 石破茂;
        • 8.6% said 菅義偉 (全体5位).
    • 世論調査は各政党の支持率に関するデータも集計している。
    政党名支持率 (%)
    自民党21 (-1)
    公明党3 (-1)
    立憲民主党5 (+2)
    日本維新の会2
    国民民主党1
    日本共産党2
    社会民主党0
    れいわ新撰組0
    支持政党なし64
    カッコ内は6月の世論調査からの変化

    Image: Captain76 (CC BY-SA 3.0)

    完。

    One thought on “週刊オブザーバー 7/12-7/16

    Leave a Reply

    Fill in your details below or click an icon to log in:

    WordPress.com Logo

    You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

    Facebook photo

    You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

    Connecting to %s

    %d bloggers like this: