週刊オブザーバー 7/26-7/30

I. 今週のニュース

新型コロナ

新型コロナ情報 (基本毎日更新):

1. 緊急事態宣言延長:神奈川・千葉・埼玉・大阪で新たに発令

  • 政府は金曜現在東京都と沖縄県で発令中の緊急事態宣言を神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府へ拡大すると決めた。

  • 全6都府県での期限は8月31日としている。また、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県は緊急事態宣言の一歩手前のまん延防止等重点措置下に新たに置かれる。

  • この判断は全国の新規感染者1万人を突破した後にされた。木曜には、東京都で過去最多となる3,865人の新規感染者が確認され、全国では次いで神奈川県(1,164人)、大阪府(932人)、埼玉県(864人)、千葉県(576人)、沖縄県(392人)となった。

  • 菅義偉首相金曜今回の宣言が最後となるような覚悟で、政府をあげて全力で対策を講じていく決意を述べた。また、首相は木曜、記者に対し、オリンピック開催が影響しているとは思わない旨を述べた。

  • 厚生労働省の専門家会合では水曜これまでに経験したことのない感染拡大となっていると報告された。また、理由として、感染力が従来型より高いとされる「デルタ株」の感染拡大や、人出の増加が挙げられた。

  • 水曜のデータによると、新規感染者数は火曜までの1週間では前週に比ベて、全国では1.54倍と大きく増加した。また、宣言・まん延防止等重点措置下に新たに置かれる11の都道府県のうち、北海道を除く10府県では、前週比で増加の傾向が見られた。

  • また、人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数は、東京都が前週の59.33人から88.63人、沖縄県が38.47人から82.59人、神奈川県が33.20人から45.44人、埼玉県が26.93人から42.57人、千葉県が26.67人から39.51人、石川県が新たに38.05人、そして大阪府36.33人と、感染状況が最も深刻な「ステージ4」の目安の25人を超えた。前週の5県に2府県が加わる形となった。

2. 専門家は感染者数の更なる増加を予想

  • 金曜に開かれた政府の新型コロナ感染症対策分科会では、出席者から将来的にロックダウン(都市封鎖)を可能とする法整備の検討を求める意見が出された。これを受け菅首相は、同日午後日本においてロックダウンという手法はなじまず、結局はワクチンだと思うと述べた。

  • 新型コロナの感染が急拡大する中、日本医師会など9つの医療関係団体は、全国を緊急事態宣言の対象とすることや、40歳から64歳までの人などのワクチン接種をできるだけ早く完了させることを政府に求めた緊急声明を発表した。

  • 政府のデータによれば20代・30代は全国の新規感染者数のうち約半数を占めている一方、重症患者数においては10%ほど占めている。重症患者では、半数が40代・50代であることがわかった。

  • 政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長木曜、参院内閣委員会の閉会中審査で、全国的な感染拡大について「今の最大の危機は社会一般の中で危機感が共有されてないことだ。危機感が共有されなければ、さらに感染拡大する。いずれ医療逼迫が深刻化する」と警告した。

  • 政府のデータでは、水曜時点の東京都の確保病床使用率は47%だが、重症者用病床では64%に達している。

  • によると、木曜時点の入院患者は3,039人で、1か月前に比べ倍増した一方、自宅療養者は8,477人で、ともに半年前の「第3波」時の水準である。

  • これらの情報を受け、都の新型コロナのモニタリング会議では、現在と同程度の増加比で感染拡大が続くと、1週間後の週平均の新規感染者は2,962人、2週間後には4,532人になるとの見通しが示された。

  • 東京都の小池百合子知事木曜第3波のピークとされた1月と比べると、ワクチンのあるなしで感染状況の中身はかなり変わってきていると強調した。

  • 具体的には、ワクチン接種が進んだ高齢者の感染が減る一方、動きが活発でワクチン接種率が低い若者の比率が高まっていると指摘した。

  • 西村康稔経済再生担当大臣もまた、若者にとっては「ただのかぜだ」という認識が強いと述べ、小池知事と同様の傾向を指摘した。

3. 政府、40歳以上のアストラ製使用を承認

  • 内閣府によると、金曜時点で全国の総接種回数は8400万回ほどとなった。また、全人口の38%は一回目、28%は二回目の接種を終えている。

  • 東京都の小池知事は金曜 若い世代がワクチン接種を受けやすい環境をつくるため、接種券を持っていれば予約なしで受けられる機会を都内の繁華街に設ける方向で検討していると明らかにした。

  • 厚生労働省金曜原則40歳以上への英・アストラゼネカ製のワクチン使用を許可する決断をした。当初の計画では、60歳以上への接種を推奨する案で調整していたが、外国の推奨年齢や安全性に関するデータから、より若い世代への活用も視野に入れた。

  • 政府は、重症者が増加している40代・50代のワクチン接種を推進する意味でも許可を出したようだ。

  • また、既に臨時接種の対象となっている米・ファイザー製と米・モデルナ製の供給が遅れ、自治体や企業からはアストラゼネカ製のワクチンを使えるよう求める声も上がっていた。

外交・防衛(安全保障)

4. 日米関係

  • 岸信夫防衛大臣は金曜、東南アジアを訪問していたアメリカのロイド・オースティン国防長官電話会談を行い、今回の歴訪はアメリカがこの地域への安全保障に深く関与することを示すものだと歓迎し、自由で開かれたインド太平洋を維持・強化するため、日米同盟をより一層強化していくことを確認したと明らかにした。

  • 岸防衛大臣は金曜、事実上「空母化」する海上自衛隊の「いずも」で、今年度中にアメリカ軍の協力を得て、最新鋭のステルス戦闘機F-35Bの発着試験を行うことを明らかにし、さらに具体的な実施時期などの調整を進めていく考えを示した。

  • 外務省の船越健裕アジア大洋州局長水曜アメリカ政府で北朝鮮問題を担当するソン・キム特別代表と電話会談を行った。

  • 両氏は、韓国・北朝鮮間の連絡ルートが火曜に復旧したことについて、南北の関係改善に向けた前向きな動きだとして歓迎し、今後の状況を注視していくことで一致した。

  • また、両氏は、拉致問題や核・ミサイル問題といった諸懸案の解決に向けて、日米、そして日米韓3か国で、引き続き緊密に連携していくことを確認した。

5. 日米台の議員が「戦略対話」実施

  • 超党派の日華議員懇談会(以下日華懇)は木曜、台湾やアメリカの議員と国際情勢を話し合う「戦略対話」の初会合をオンラインで開いた。

  • 「日華懇」の古屋圭司会長、前駐日米大使のウィリアム・ハガティ上院議員、上院外交委員会・東アジア小委員会のエドワード・マーキー委員長、台湾の游錫堃立法院長(国会議長)らが出席した

  • また、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党や日本維新の会の議員が参加した。安倍晋三元首相スペシャルゲストとして出席した。

  • 日本経済新聞によれば、議論は軍事的圧力を強める中国への対応「自由で開かれたインド太平洋」の推進など、基本的価値を共有する国や地域の協力、米国と台湾の環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)加盟や、経済的な連携の強化、台湾の世界保健機関(WHO)へのオブザーバー参加に集中した。古屋会長は会合後、記者に対し、非公開の討論の主要な議題は安全保障問題だったと説明した。

  • 「日華懇」の顧問を務める安倍元首相は、中国当局による香港での民主派の運動への規制を念頭に「香港で起こったことが台湾で決して起こってはならない」と述べた。

  • また、中国の海洋進出を巡り、南シナ海や東シナ海で一方的な現状変更の試みが行われていることを懸念していると語った。安倍氏はさらに、日米台の経済的な連携を進めるため、米国と台湾にCPTPPへの加盟を呼びかけ、世界保健機関(WHO)への台湾のオブザーバー参加も支持した。

  • 前駐日米大使のハガティ上院議員は、安倍前首相が打ち出した「自由で開かれたインド太平洋」を地域の秩序を強化すると評価し、バイデン政権には台湾との貿易協定をぜひ締結してほしい旨を述べた。

  • 台湾の游錫堃立法院長(国会議長)は、中国は台湾に軍事的な威嚇をして、間違った情報を流布し、社会を分断させようとしていると指摘した。その上で、台湾は米国や日本のような民主主義国家の友人を得るのが必要だと説いた。

  • 会合は今後定期的に行われる予定で、安保や知的財産権、人権問題などテーマ別に協議の場を設け、連携を深めることとなる。

  • 産経新聞は水曜安倍氏が李登輝元総統の一周忌を前に、新型コロナ感染症の動向などを見極めながら台湾を訪問し、お墓参りをしたい意向を表明したと報じた。安倍氏は、「世界の中でこれほど日本のことを思ってくれたリーダーは(李氏以外に)存在しなかった」と述べた。台湾外交部や游錫堃立法院長はこの発言を歓迎した

6. ロシア首相が北方領土を訪問 

  • ロシアのミハイル・ミシュスティン首相月曜日本固有の領土にあたる北方領土・択捉島に上陸した。

  • この上陸は、ウラジミール・プーチン大統領先週金曜北方四島での日ロの共同経済活動に関し、提案をまとめるようミシュスティン首相に指示した後に起こった。

  • プーチン大統領が「前例のない性格のものだ」と称した提案は、北方領土問題を含む平和条約締結交渉が進展しない中、事態打開に向けた一手とみられている。

  • ミシュスティン首相の北方領土上陸を受け、茂木敏充外務大臣同日、談話を発表し、この訪問は、北方領土に関する日本の一貫した立場と相容れず、また日本国民の感情を傷つけるものであり、受け入れられるものではないとした。

  • また、同日、外務省の森健良事務次官ミハイル・ガルージン駐日大使を同省に呼び、強く抗議した

  • 自民党の議員も、木曜に行われた同党・外交部会らの合同会議で訪問を批判した。また、外務省が「(不法な)上陸」ではなく「訪問」という表現を使っていることについても疑問が上がった。

  • 外務省では、北方領土訪問と同じタイミングでプーチン大統領が共同経済活動に関する新提案を出してきたことには「いつものやり方だ」と、慎重な見方が多い。また、ロシアが2020年7月の憲法改正で「領土割譲禁止」条項を明記したことや、今年北方領土で軍事演習を行っていることなどからみても、交渉は難航することが明白だ。

7. 外交関連ニュース 

  • 茂木外相は金曜、来週の8月3日日・ASEAN外相会議ASEAN+3(日中韓)外相会議、4日東アジア首脳会議(EAS)参加国外相会議6日日・メコン外相会議などへの出席を発表した。
    • ASEAN+3: ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、日本、韓国、中国
    • 東アジア首脳会議 (EAS): ASEAN、オーストラリア、中国、インド、日本、ニュージーランド、韓国、ロシア、米国
    • メコン河流域: カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム

  • 外相は、一連の会議で、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた具体的な協力や、ミャンマー情勢などをめぐって突っ込んだ議論を行いたいという考えを示した。

  • 菅首相は水曜日本とフィリピンの国交正常化から今月で65年となったことを記念して、ビデオメッセージを掲載した。

  • 首相は、両国は自由、民主、法の支配といった普遍的価値を共有する戦略的パートナーであり、関係は「黄金時代」を迎えていると述べた。また、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を引き続き積極的に推進していく考えを示した。

  • 菅首相は土曜「五輪外交」の一環として、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談した。両首脳は、2024年のパリ大会に向け、緊密な対話を継続することで一致した。

  • 菅首相は、自衛隊とフランス軍の共同訓練実施など、「自由で開かれたインド太平洋」実現への協力進展を歓迎した。また、両首脳は、中国を含む地域情勢も議論し、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に深刻な懸念を共有した。

  • 政府がカンボジアとイランに向けて送ったアストラゼネカ製ワクチンの第一便が7月23日に到着した。カンボジアはおよそ30万回分、イランはおよそ110万回分を受け取った。

  • 政府は、ワクチンを分配する国際的な枠組み「COVAXファシリティ」を通じて、イランやバングラデッシュ、ネパール、それに、太平洋の島しょ国などの15か国に対し、日本で製造したアストラゼネカのワクチンを約1,100万回分提供する方針だ。

  • G20環境閣僚会合先週金曜、イタリアのナポリで開催された。閣僚らは、ことし秋にイギリスで開かれる予定の温暖化対策の国連の会議COP26を前に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みや課題について話し合った。

  • ただ、石炭火力発電の廃止をどのようなペースで進めるのかについては、廃止への反対が根強い新興国と、先進国との間で意見の隔たりが浮き彫りになった。

国内政治

8. 政治動向

  • 今年の厚生労働白書金曜、閣議で報告された。白書では、新型コロナの感染拡大で、非正規やフリーランスで働く人に影響が目立ったなどとして、多様な働き方を支えるセーフティーネットを検討する必要があると指摘している。

  • 金曜の閣議で決定された情報通信白書は、新型コロナの接触確認アプリで不具合が生じたことや、給付の支給に遅れが生じたことなど、感染拡大後のデジタル対応で行政にさまざまな課題が明らかになったことを挙げ、業務をゼロベースで徹底して見直す必要があると指摘している。

  • 菅首相は近く、緊急事態宣言の拡大など新型コロナの感染防止策の強化に合わせ、国民生活を下支えする追加経済対策の取りまとめを政府・自民党に指示する予定だ。直近の報道では、30兆円規模になるとされている。

  • 衆院選でアピールできるよう9月前半にも提言を策定する予定だ。政府・与党は、国民生活を下支えすることで、選挙を有利に進めたい考えだ。

9. 経済状況

  • 日経平均株価東証株価指数(TOPIX)金曜、新型コロナの感染拡大を受け、緊急事態宣言が拡大されたことで、ともに下落した。

  • 特に日経平均は、前日比440円程度安の2万7,300円台半ばで推移している。緊急事態宣言によって、経済活動の正常化が遠のくとの懸念が相場の重荷となっている。

  • また、取引時間中の米株価指数先物や香港などアジアの主要株式相場が下落していることも投資家のリスク回避姿勢を強めている。

  • 財務省金曜、昨年・令和2年度の一般会計の決算を発表した。これによると、新型コロナの感染拡大を受けて総額175兆円を超える規模に膨らんだ予算のうち、30兆7,804億円が使われず、今年度に繰り越された。繰越額は過去最大だ

  • 国際通貨基金(IMF)が火曜に発表した最新の世界経済見通しでは、日本の2021年の経済成長率は2.8%と、4月の前回予測から0.5ポイント引き下げられていた。

  • 新型コロナ感染再拡大に伴う経済活動の一部制限が響き、主要先進国では最低水準となってしまった。ただ、IMFは、下半期に景気回復の勢いが強まるとみていて、22年は3.0%と0.5ポイント引き上げた。

選挙

10. 各政党、秋の選挙への準備を進める

  • 菅首相は、月曜発売の月刊誌のインタビューで次期衆院選の勝敗ラインについて「私は欲張りだ」と述べた。

  • 首相は「選挙は何が起こるかわからない。どんな選挙も大変だ。情勢が楽観視できるとか厳しいとか、全く関係ない」と持論を展開した上で、「やるべきことをきちんとやって結果を待つ。これはどの選挙でも同じだ」と語った。内閣支持率が低迷する中でも「首相の強気は変わっていない」との見方が出ている。

  • 立憲民主党の岡田克也元外務大臣木曜、記者団に対し、国民民主党と衆院選を前に完全に一つになれなかったのは悔いが残るが、選挙後にまた一緒にやれる日がくればいいと述べた。

  • また、岡田氏は、野党が一体にならないと政権交代は難しいとも述べた。そのためにも、来年夏の参議院選挙を前に、国民民主党との合流を目指すべきだという考えを示した。

  • 自民党の甘利明税制調査会長日曜のテレビ番組で、9月末の任期満了に伴う党総裁選について「若干先に延ばして、衆院選後にという選択も十分考えられる」と述べた。

  • 甘利氏は、衆院選挙について、ワクチン接種が進んだ後の方が良いとし、9月、10月しか選択肢がないだろうと語った。また、同氏は、次期幹事長就任の可能性が一部で取りざたされていることに関しては「100%ない」と断言した。

11. 菅首相、横浜市長選で元閣僚級自民党議員を全面支持へ 

  • 菅首相は木曜、地方氏の意見広告にて、横浜市長選に出馬する元自民党議員の小此木八郎・前国家公安委員長の支援を明言した。

  • 首相はすでに国政選挙で3連敗、地方選でも敗北が目立っており、選挙に臨む党の顔としての存在が疑問視されている。市長選での勝利衆院選・総裁選を前の弾みとなりうる。

  • ただ、首相のお膝元(もともと神奈川県出身ではないが、神奈川県の選挙区から当選している)での敗戦は、党総裁としての終わりの始まりになる可能性さえある。

  • 市長選は8月22日投開票自民党は、小此木氏が選挙で自民推進のIR計画に反対する方針であることを受け、自主投票を決めた。

その他の注目すべきニュース

  • 検察審査会、桜を見る会を巡る安倍前首相の「不起訴不当」議決: 選挙人名簿に載っている国民の中から抽選で選ばれた11人の委員構成される東京第一検察審査会金曜安倍前首相が主催する、毎年開催される桜を見る会前日に行われた支援者の夕食会の費用を一部負担したとして、公職選挙法違反の疑いがあると告発を受けたものの、検察が不起訴にした件について、十分な捜査が尽くされていないなどとして「不起訴は不当だ」と議決した。安倍前首相は、桜を見る会の前に開催された地元支援者のための夕食会で、費用の一部を支払った疑いをかけられた。これが政治資金によって負担されたならば、公職選挙法に違反していることになる。報道によると、「桜を見る会」の前日夜の懇親会をめぐっては、2015年からおととしまでの5年間の費用の総額がおよそ2,300万円に上り、このうち800万円以上を安倍事務所が負担していたことが明らかになっている。しかし、検察は十分な証拠を見つけることができなかったとして、不起訴という判断を下した。夕食会を主催した安倍晋三後援会の会長である安倍前首相の第一公設秘書は、昨年12月、2017年から2020年までの政治資金収支報告書に約3,000万円記載しなかったとして政治資金規正法違反で100万円の略式命令を受けている。 検察は、後にこの件についても、2017年の収支報告書のコピーを入手できなかったため、証拠が不十分であるとし、不起訴にした。今年3月には、別の検察審査会が、検察は再調査すべきだと決定したが、再捜査で新たな証拠は出てこなかった。今回、第一検察審査会は、安倍元首相と秘書を起訴しない決定について、1)検察が出席者の一部にしか証言を求めなかったことや、2)当事者の秘書からの証言などから、安倍事務所が夕食会の費用を一部負担していた明確な証拠があったため、「不起訴不当」と議決した。今回の決定を受け、東京地検特捜部は、安倍前首相を起訴するかどうかを決定するための再調査を開始する検察が再び不起訴と判断した場合、検察審査会の2回目の審査は行われず捜査が終わることになる。安倍前首相は、自らや事務所が検察に協力し、厳格な調査の結果、不起訴となったと述べている。また、今後は検察の対応を静かに見守りたいとしている。
  • 政府、広島の「黒い雨」訴訟を上告せず: 政府は火曜、声明を発表し、1945年の米国の原爆投下直後にいわゆる「黒い雨」を浴びて健康被害を受けた住民などが訴えた裁判で、広島高等裁判所の判決に対して上告しないと決定した。広島高裁は、地裁に続き84人の原告全員を「被爆者」として認定し、以前、国が指定した援護区域の外にいた生存者が交付されなかった被爆者健康手帳を交付するよう命じた。健康手帳は、生存者が放射線によって引き起こされた11の特定の病気のいずれかを発症した場合、医療給付を受けられるようになる。政府が上告しなかった主な理由は、政府が今回の訴訟において補足的な役割を果たしているからだ。この訴訟の被告は、健康手帳を交付している広島市と広島県である。菅首相が火曜に内閣の決定を発表するまで政府は上告する方向に向かっていたが、広島市・県は上告には反対していた。政府内では、原爆の日である8月6日を前に上告すれば、政府に対する批判につながる懸念があったようだ。また、地裁の判決のように、今回も上告しても政府が敗訴する懸念もあった。政府は、原告でない被爆者にも救済措置を「迅速に」拡大する方法を検討しているが、判決自体については、すでに実施されている従来の救済措置とは根本的に相容れないと談話で述べた。具体的には、政府は、地裁が命令した救済の対象が、「黒い雨」や飲食物の摂取が原因で、内部被曝によって被害を受けていた被爆者への救済措置へと拡大された点を指摘した。政府は、この判決は過去の判決と矛盾しており、科学的な放射線レベルの推定に基づいていないと主張している。厚生労働省は長崎市と長崎県を被爆者認定指針の改定をめぐる議論に招く予定だが、広島とは少し違う問題だとした。菅首相が述べたように、長崎の被爆者が原告となっている裁判は進行中であり、長崎の対応は後に決定される。現在、厚労省は、長崎の被爆者がこの広島の判決の下で認定されることを予見していない。今回の判決の具体的な成果は広島市が8月6日までに原告全員に被爆者健康手帳を発行することだ。

II. 世論調査

  • 月曜に公表された日本経済新聞・テレビ東京の世論調査では、菅内閣の支持率は34%6月から9%減)、不支持は57%(7%増)だった。
    • 18歳から39歳の回答者のうち41%40代・50代の32%、そして60歳以上の32%が内閣を支持した。
    • 回答者の53%内閣を支持しない理由として指導力のなさを挙げ、35%政権・政党運営に対する不満と答えた。
    • 回答者の57%(6月から7%減) は、政府の新型コロナ対応に満足していないとした一方、39%(8%増) 満足していると答えた。
    • 回答者の65%(6月から6%増)は、政府の新型コロナワクチンの接種計画について順調だと思うとした一方、29%(9%減) 順調だと思わないと答えた。 
    • 回答者の59%オリンピックを開催すべきだとし、37%は延期か中止すべきだと答えた。
    • 回答者の33%オリンピックを無観客開催すべきとし、22%は1万人を上限に4%は当初の予定通りに開催すべきと答えた。
    • 回答者の38%自民党を支持するとし、9%最大野党の立憲民主党35%特定の政党を支持していないと答えた。

Image: Captain76 (CC BY-SA 3.0)

完。

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